大阪で新築マンションが分譲直前に「一棟売り」

 大阪市内で3月、販売開始を目前に控えた新築分譲マンションが突然、建物ごと売却されることになり、分譲が中止された。

「一棟売り」と呼ばれる販売手法で、買い手の多くは不動産ファンドとされる。投資熱の高まりで、分譲マンションの一棟売りは近年、近畿圏でも目立ち始めているが、販売直前のケースは異例。購入予定者からは「消費者を軽視し過ぎ」との声も出ている。

 問題のマンションは、同市中央区の上町筋沿いに建設された15階建て(69戸)で、3月に完成した。

 同区に住む自営業の男性(31)は2年前、このマンションが建設されることを口コミで知り頭金の貯蓄も始めた。

 昨年12月、事業主の「住友不動産」(東京)のホームページに分譲の予告広告が出され、早速、優先的に情報が得られる会員に登録した。入居開始は今月とされ、3月初めに開かれた現地内覧会では、担当者から「1週間後に価格が決まり、販売を始めます」と聞かされた。

 ところが、同24日に突然、担当者から電話があり、「建物ごと売ることになったので、分譲を中止します」と告げられたという。

 男性は金銭面の損害はなかったが、「利益優先のためではないか」と憤る。

 同社は、一棟売りについて「事業判断」とし、売却先を明らかにしておらず、「購入を検討いただいたお客さまにはご迷惑をかけたことをおわびし、引き続き誠意を持って努力する」としている。

 不動産経済研究所大阪事務所によると、一棟売りの相手は通常、不動産ファンドで、近畿圏では数年前から目立ち始めたという。首都圏では、「購入希望者が手付金を払った後に一棟売りが決まり、事業主から手付金の倍額返金を受けた例もあった」と証言する不動産鑑定士もいる。

 大手不動産会社の担当者は「分譲には広告などの経費がかかり、物件によっては売れ残りのリスクもある。その点、一棟売りは確実に利益が確保できる」とメリットを明かす。

 経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「一棟売りは、法的には問題のない取引だが、たくさんの客が買う気になっている分譲間近の段階で販売先を切り替えるのは商道徳上、問題がある。不動産業界は上げ潮にあり、同様のケースが増える可能性もあるが、景気には波がある。一般消費者を大切にしていないと、将来そっぽを向かれる」

 不動産ファンドとは、株式市場で資金を集める不動産投資信託(J―REIT)と、特定の投資家を対象にした私募ファンドがある。購入したオフィスビルやホテルなどを賃貸して賃料収入を配当にあてる手法が主流。設備が良く高い家賃収入が期待できる分譲マンションにも投資対象が広がっている。住信基礎研究所(東京)の調査では、2006年末の市場規模は11・5兆円で、03年末の5倍に拡大した。

[2007年4月29日]
posted by 不動産投資,競売,情報日記のえいえい at 10:45 | Comment(0) | 不動産投資ニュース
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。